定年退官自衛官、車屋さんに就職 (134弾目)

【閲覧注意】大雨の日限定「市営住宅の階段」

 このブログを見てくれいる極少数の皆様。今回は全然車屋さんに関係ない話なので怖がりの方はすぐに閉じてください。てか、車屋さんに関係ない話多いけど。今回は怖いやつ。中学1年から新聞配達やってて怖い思いしたこと結構あるので、今回はレベル2のやつ。

 中学1年の時の配達エリアの中に高層(階層は秘密)の市営住宅がありました。昔からこの高さを利用してお亡くなりになる方々がいる場所で、正直、このエリアだけは嫌だったのですが配達員の空きが出るエリアがここしかなかったのです。50部くらいは民家を配達し、30部は市営住宅を配達します。1階の駐輪場に自転車を停めて最上階までエレベーターで昇り、階段で下りながら各階の配達を行います。1カ月もすると慣れてきて、東西二カ所の階段をうまく利用することで最短経路が完成していました。

 半年くらい経ったある大雨の日、いつものように1階に自転車を停め、カビ臭く汚れたエレベーターに乗り最上階まで上がりました。「ザーーー」と大きな音を立てて降り続ける雨に、時折カミナリが光ります。数秒遅れて「ドーン」という音を聞き「まだ遠いな」と独り言をつぶやきながら薄暗い廊下を早歩きで進みポストに新聞を入れていきます。新聞は濡れないように大きなビニールでくるんでますが、自分は雨と汗でべしょべしょです。当時のカッパは親父の釣り用カッパだったのでムレムレです。早く配達を終えて帰りたいという気持ちが歩く速度をどんどん上げていきます。

 かなり速いペースで2階まで配達が終わり、東側の階段を下りて1階の数件を配れば帰れるというときその人はいました。2階と1階の踊り場で壁に頭をつけて一人の男性が立っています。降りようとした瞬間にその人が目に飛び込んできたので1段目で停止します。自分から見て右の壁ぎりぎりの位置でおでこをつけて立っているその男性は、夏だというのに厚手の茶色コート、ズボンは紺色か黒、身長は170くらいで中肉。頭髪はぼさぼさではないが床屋に行けよレベル。横顔はまるで白黒映画の俳優みたいに白く見えました。

 通るか、戻るか。いや、ここは挨拶だ。当時の自分の判断。

 2段目を下りながら「こんに・・・・」まで言って、マッハで振り返り逃げました。

 2段目下りた瞬間、ズリズリとおでこを壁にこすりつけながらこっちに顔を向けようとしたからです。ゆっくりと。「やばいやばいやばいやばい」と小さくつぶやきながら全力で反対側の西階段を目指し廊下を走ります。そのままの勢いで西階段から1階に降り、残りの数部を配達してから外に出ました。もちろん「やばい東階段」に接近しないように。そしてまだ大雨の降る薄暗くなった道を自転車で疾走しながら家に戻りました。

 上から見たので絵のようなアングルではなかったのですがうまく書けません。コートの色とかわかったのですが、全体的に違和感を感じる色の人でした。

 家に帰って親父に話したのですが、すっかり酔っていて「ふーん」って言われました。翌日学校で友人に話そうとしたのですが、呪われたらどうしようとか考えて話せませんでした。一人だけ話した友人がいますが、彼の悲劇はまた別の機会に。

 今日は大雨で、急にこの日のことを思い出したので、ブログを見てくれている極少数のみなさんを巻き込んでガクブルしようと一生懸命思い出しながら書きました。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!